Rancher Day 2020 - Rancherセッション事例紹介まとめ

Rancher Day 2020 - Rancherセッション事例紹介まとめ

西原 順二
西原 順二
Published: November 16, 2020
Updated: November 17, 2020

2020/11/12に開催されたRancher Day 2020「どこでもKubernetes」- Rancher - は皆さまのお陰で大盛況のうちに幕を閉じることができました。ご視聴者および関係者の皆さまには本当に御礼申し上げます。このブログでは、冒頭のRancherセッションでご紹介した国内および海外の事例についてまとめます。

Rancher国内事例

国内の利用においては、2019年から2020年にかけてRancher利用変化の傾向として、2019年までは特定のアプリケーションのKubernetes利用が多かった傾向から、2020年は全社システム、対外顧客向けサービスにおいてRancherを利用する事例が増大しました。

これまで試験的に20ノード位の中小規模用途から、100ノード、それ以上をターゲットとしたシステムアーキテクチャを想定して取り組まれているケースが増えています。

Rancher Day 2020でご講演いただきましたKDDI様においては全社向けプライベートクラウドの基盤としてRancher利用をご講演いただきました。他には通信会社様、データセンタービジネスを展開されている会社様においては、自社クラウドサービスのKubernetes化のバックエンドとしてRancherを利用しています。通信サービスの管理システムに利用されている事例、顧客向けIoTサービス基盤にRancherを利用されている事例もあります。海外で先行している大規模システム事例に遅れてではありますが、明らかにそれに相当する大規模事例を発表できる日が近いと信じています。

Rancher最新海外事例

海外における最新の事例としては、世界5大製薬会社がRancherを利用していることが公開されました。ロシュ、メルク、グラクソ・スミスクライン、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソンです。Rancherを利用することでイノベーション、スピード、近代化を推進しています。従来のシステム運用モデルを変革し、医薬品開発、製造、試験を近代化し、さらに人工知能と機械学習を用いてアプリケーション開発に重要な進化をもたらしています。特記すべきは、COVID-19のためのワクチン開発では、従来では考えられないスピードを要求されており、災いが新しい技術を取り込むきっかけになったことは否めません。また人工知能や機械学習を遺伝子治療薬開発に貢献するスピードを加速させています。

AirbusおよびBoeingでは航空および宇宙分野においてRancherを利用しています。航空機など従来はハードウェアの性能が高く評価されてきた時代から、近年はソフトウェアパワーが性能差別化に大きく貢献するようになりました。機動性、航続距離といったハードウェア面から、飛行制御、センサー融合・データ融合機能といったソフトウェア面への投資が加速しており、アプリケーションのアジリティが重要視されています。エアバスディフェンスアンドスペース クラウドアーキテクト ジャン・フィリップ・グインは以下のように述べています。「モノリシックアーキテクチャで1つまたは2つの衛星を管理するのは簡単ですが、数千を管理する場合はまったく別の話です。 アプリケーションを拡張し、マイクロサービスの革新的な資産を作成する必要がありました。KubernetesとRancherがイネーブラーです。」

世界最大級の自動車Tier1サプライヤーであるContinentalは、Rancherを活用してアプリケーションのモダナイゼーション事例としてすでに公表していますが、このアプリケーションには工場IoTが含まれます。生産ラインのコントローラおよびセンサーから取得されたデータをエッジロケーションで取得、その場で結果を返すものと、さらにデータを複数あるデータセンターで処理を行い、より高度なアルゴリズムを用いたモデルの作成を行い、アプリケーションの高度化を実施しています。2020年内に全世界45ヵ所の工場に展開する計画で実装が行われています。

まとめ

以上、2020年ではエンタープライズグレードのプロダクション環境でRancherが利用されていることがお分かりいただけたかと思います。Kubernetesクラスタの管理としてのRancher、そしてエッジへのKubernetesクラスタの展開、その両方をサポートするK3sを開発しているRancher Labsにご期待ください。

西原 順二
西原 順二
Sales Director
Hewlett Packard、AWS、Microsoftを経て、2019年よりRancher LabsのSales Directorとして日本市場におけるKubernetesビジネスの形成に奮闘中。
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